【自閉症の息子への支援が不十分?】不安を感じた自治体の7つの特徴。~さよなら新築マイホーム~

家族

私たちヤドカリ家族は、きー君の障害発覚後、よりよい障害児支援(特に療育)を受けるためにマイホームを手放し引っ越しをしました。

それはなぜか。

その時住んでいた市では、十分な障害児支援が受けられないと感じたからです。

障害児支援にどのくらい力を入れるかは、市の自治体によってさまざま。

何の知識もなかった私は、てっきり支援は全国どこでも同じだと思っていました。

それがまさか、市という単位で有りようが全く違うとは…。

地域差について知ってからは、どこにぶつけていいかわからない不安で頭がいっぱいの、余裕のない日々をおくっていました。

〇これから障害児支援を受けられる方

〇受けているけれど自分の自治体の支援って他と比べてどうなの?と思っている方

〇今の自治体の支援に不満があり、引っ越しを検討している方

この記事が少しでも参考になり、お子様やそのご家族にとってのよりよい支援につながれば幸いです。

前の自治体で「十分な支援が受けられない」と感じた特徴を7つ紹介します。

ぜひ、みなさまのお住いの自治体と比べてみてください!

おまけとして引っ越し後の今現在の支援の様子も載せていますので、ご興味のある方はクリックしてご覧ください。

そして引っ越したことによるデメリットはあるのかについても書いていきたいと思います。

※前の自治体に対して愚痴っている感じもあるので、苦手な方はお控えください。

乳幼児健診がゆるい。

前の自治体では、子どもの成長発達の確認についてすべて親の自己申告でした。

「指さし」「お絵描き」「積み木」「言葉」など保健士さんの目の前で実際にやってみる方式ではなく、保健士さんが親にできるかどうかを聞いてチェックするというやり方でした。

きー君の場合、どの項目も親の目からしたらできていたように見えたため、一歳半検診で引っかかることはありませんでした。

今思えば、もしも保健士さんとのやりとり方式であれば確実に引っかかっていたと思います。

以前よりも知識をつけた今だからわかることなのですが…

指さし一つにしても、指さしができたかどうかだけでなく、問いかけに対する反応の仕方だとか、視線だとか、チェックすべきポイントがたくさんあります。

お絵描きにしても、クレヨンの持ち方や動かし方を見ることで、その子の発達具合がわかってきます。

何よりも、同年齢の子ども達をたくさん見てきた保健士さんと、我が子を中心としてしか見てこなかった親では圧倒的な差があります。

なので、自己申告制の自治体であった場合は気を付けた方がいいと私は思います。

引っ越し後の自治体ではどうなったのか、知りたい方はこちらをお読みください↓

受給者証がなかなかとれない。

「我が子に療育を受けさせたい」と思ったときに必要になるのが『受給者証』

これがあれば、行政からの給付金を受けながら、一部の自己負担で児童発達支援事業所を利用できます。

前の自治体では、受給者証をいただくのに少なくとも半年はかかりました。

市役所の障害福祉課に申請すればよいということをネットで知ったため行ったところ、こちらの市では市役所による申請は受けていないということ。

『子ども〇〇支援室』という市で独自の福祉施設があり、そこに相談に行ってくださいとのことでした。

そこで気になる市役所の方からのアドバイスが。

障害福祉課
障害福祉課

「受給者証を取りたいのであれば、必死さをアピールしたほうがいいですよ。

後回しにされちゃいますからね。

身内からそんなこと言われる施設ってどんななのよ…

と不信に思いながらも、子ども〇〇支援室に相談。

やはりすぐに受給者証はもらえず。

市役所の方の言葉を思い出し、何度も電話で相談。

個別での面談の時間を設けてもらい、やっと受給者証の取り方について説明を受けることができました。

※ヤドママが何度電話しても「様子を見ましょう」の一点張り。ヤドパパに電話してもらったところ、話が進みました。

受給者証をとるための条件は、以下の2つでした。(自治体によって異なります。)

・子ども〇〇支援室で行われている「経過観察グループ」という小集団の集まりに、3か月間(週1)で通うこと。

医師の診断書をもらうこと。(障害の確定ではなく、”疑い”でもよい。)

ヤドママ
ヤドママ

え…すごい時間かかりそう。

それに、病院ってどこにいけばいいんだろう?

ーーーーーさらに、頭を悩ませる付け足しが。

〇受給者証を取ったとしても、どの事業所もいっぱい待機している児童は何百人。

「経過観察グループ」もすぐには受けられないけど、特別に最短で受けられるようにしてもいい       (←不信感やばすぎません?)

〇民間の療育を受けたら、公的療育は受けられない。(←公的療育は月1回受けられるかどうかの頻度)

〇他市に自費で受けられる児童発達支援事業所があるから、そこで療育を受けてみては?

とにかく必死だった私は、自費で民間事業所の療育を受けさせることに。

1時間の個別療育を、週1で通いました。

そのお値段、9万(1か月)×3か月で合計27万円(´;ω;`)ウッ…💰

ヤドママ
ヤドママ

もしかして、ここの自治体って結構やばいんじゃ…。

独自ルールのクセが強すぎるし、騒がないと全然話が進まないし。

と、不信感ばかりがつのりました。

※やっとのことでこぎつけたクリニックも独特だったので、それはまた別の記事にして書きたいと思います。

気づけば受給者証をもらうまで約半年。

市役所の方からのアドバイス(必死さアピール)がなければ、もっと時間がかかったはずです。

引っ越し後の自治体では?↓

市役所で受給者証の申請が可能。

〇経過観察グループに3か月通わねばならないなど、謎のルールがない。

〇市の福祉施設で公的療育&児童精神科の医師による診察が受けられる。

〇公的療育と民間療育を併用できる。

自分で児童発達支援事業所を見学することが許されない。

とにかく、早くきー君に療育を受けさせたいと思っていました。

早期療育って言いますし、このとききー君はすでに三歳と数か月。

その市の民間の事業所にかたっぱしから電話&見学のお願い。

事業所の方から、驚きの一言。

事業所の方
事業所の方

子ども〇〇支援室の方と一緒でないと、見学はできません。

ヤドママ
ヤドママ

え……???

そんな話ネットでは見たことがありませんでした。

私のネット調べによると……

確かに、市の人と相談しながら事業所を決めていく方法もある。

けれど、それだと時間がかかるから自分で事業所を探して決めていく『セルフプラン』を利用する人が多いらしい。

他の事業所にも電話で聞いてみると、やはり断られました

しかし、2つの事業所が見学ОKを出してくださいました。

(2つとも、他県にも事業所を展開されてる事業所です。)

一通り電話したところで、子ども〇〇支援室から電話が。

子ども〇〇支援室
子ども〇〇支援室

『もしもし、子ども〇〇支援室です。お母様、本日は事業所の見学についてのお電話させていただきました。本市では、事業所の見学は子ども〇〇支援室の職員と日程調整の上、一緒に行っていただくこととなっております。見学は1日に1事業所のみです。どうぞご理解の上、よろしくお願いいたします。』

ヤドママ
ヤドママ

………

……

……

支援室に面談してもらうのにも1か月はかかったのに、見学の日程調整とはどのくらいの時間がかかるのでしょう。そして全部見学するとなるといったい何年かかるのでしょう。

てかチクった事業所どこだコンニャロウ。

支援室には不信感が募っていました。(電話の約束のすっぽかし、心理士の面談のすっぽかしなどなど)

さらに、「こんなに手厚く見てくれる市は、他にはないと思いますけど?」

という追い打ちをかけるような一言に、ヤドママ爆発💣

引っ越し後の自治体では?↓

療育を受けられる日数が少ない。

前述で、子ども〇〇支援室と一緒じゃなくても見学していいよ~!とおっしゃってくださった事業所へ見学に。←電話で釘刺されたのに行ったやつ。

その事業所の方から教えていただいたことが、引っ越しを考えるきっかけとなりました。

1つ目の事業所(A事業所)の方の気になる発言。

A事業所
A事業所

見学に辿り着くころには、お母様方はみんな疲れ果てた顔をされております。

ここの市では、騒いだもの勝ち。黙っておとなしく待つご家庭は、いつまでも後回しにされてしまうんです。

こちらの事業所はオープンして間もないですが、隣の市からどんどんお子様が通われ、ここの市のお子様はなかなか入ってこられません。

2つ目の事業所(B事業所)の方の気になる発言。

B事業所
B事業所

ここの市では、月に5日間しか療育が受けられないんですよね。

療育の日数を増やすべく、他市にお引越しされたご家庭もあります。

こちらの事業所が、お母様だけの見学をお受けしたこと、子ども〇〇支援室にお話しされて結構です。

見学を快く承諾してくださったことに本当に感謝しています。

もし見学に行かなければ、療育の日数(行政の給付金を受けながら通える日数)が市によってことなること。

そして、ここの市では月に5日間であり、それは全国的にみても少ない方であることを知りました。

引っ越し後の自治体では?↓

児童発達支援事業所が少ない。

子ども〇〇支援室
子ども〇〇支援室

まじめってよく言われません?

もう少し様子を見て、それから療育のことを考えていきませんか?

子ども〇〇支援室の保健士が、私にかけた言葉です。

三歳児検診できー君の発達についてやんわり指摘された私は、すぐに子ども〇〇支援室に個別相談をお願いしました。

そして療育について質問したのです。

きー君の発達を指摘されたばかりの私は、我が子が障害児であるということを受け入れられていませんでした。

心のどこかで、「本当はちがうんじゃないの?」「ちがったらいいな…」という気持ちがありました。

なので、様子を見て…という言葉を聞いて、期待してしまう自分がいました。

どこかで、きー君には療育は必要なくて、障害児ではない可能性もあるんですよ、と言ってほしかったのかもしれません。

ヤドママ
ヤドママ

きー君は様子を見ていてもよい程度で、今後療育が必要ないということもありますか?

期待する気持ちと、次に返ってくる言葉が何なのかという怖さで、泣きそうになったことを今でも覚えています。

そして、保健士から返ってきた言葉に愕然とします。

子ども支援室
子ども支援室

本市では児童発達支援事業所が10か所ほど。

そして、待機している児童が数百人いるんです。

なるほど。つまり、きー君はやはり障害児であるということ。

様子を見ようというのは、きー君を思っての言葉ではないことがわかりました。

それなら最初から、待機児童が多いということを話してくれた方がよかった…。

子ども〇〇支援室への不信感は募るばかりでした。

ちなみに、すごい田舎の市だったわけではありません。

商業施設や商店街があり、新たな複合商業施設の建設が同時に数か所進めらていました。

子どもの医療費は全額無料。

市役所は新たに建てられピッカピカで、財政的に潤っていないわけではなさそうでした。

引っ越し後の自治体では?↓

各機関の連携がとれていない。

各機関とは、市役所・児童発達支援センター(公的療育)・児童発達支援事業所(民間療育)・病院・幼稚園or保育園などを指します。

前の市の子ども〇〇支援室は、障害児に関わるあらゆる手続きを一手に引き受けている施設でした。

いつでも予約がいっぱいで、何をするにも時間がかかりました

一か所になにもかもを集中させているのですから、当たり前の現象です。

それぞれの機関がお互いにどのようなことをしているのかすら知らない。

そして、やんわりディスり合っているのも気になりました。

子ども〇〇支援室が、閉鎖的&うまく機能していないためと思われます。←おまえもディスりすぎだろ。

各機関にきちんと役割があり、しっかりと機能し、連携がとれている自治体をおすすめします。

引っ越し後の自治体では?↓

インクルーシブ遊具広場の設立。

インクルーシブ遊具広場の設立。これが私にとって引っ越しの決定打となりました。

前の市には大きな公園があり、市も力を入れているようでいつもどこかが整備されていました。

多動のきー君にもちょうどよいサイズで、毎日のように遊びに行っていたお気に入りの公園でした。←小さな公園だとすぐに道路に跳び出すので、本当に助かりました😢

いつも通りきー君を大きな公園に連れていくと、『インクルーシブ遊具広場 建設予定』という看板が立てられていました。

原っぱだったスペースに、障害者の方も安全に楽しめる遊具などを設置する。

心臓がぎゅうっと締め付けられたのを覚えています。

きっときー君に何事もなく、定型発達児として育てられていたらこんな気持ちにはならなくて、

「インクルーシブ遊具広場なんてステキ!市は障害者の方についてもよく考え支援しているんだな。」

と思ったと思います。

でも、現実としてきー君は障害児で、支援についての市の現状を知った私には素直に喜べないものがありました。

私の心は完全にひねくれてしまったのだと思います。

そのひねくれた心にはどうしても、インクルーシブ遊具広場が上辺だけのまちづくりアピールに思えてしまったんです。

支援を受ける側が、受けさせてくれる側に文句を言うなんて図々しい!という考えも理解できます。

それでも我が子の幸せを願っていて、支援を受けさせたいと思う気持ちは止めることができませんでした。

この市で、なかなか受給者証がもらえず毎日を悶々と過ごす人たち。

「様子を見ましょう」と言われて支援を引き延ばされている人たち。

支援を受ける必要があるのに受けられない児童は数百人

その子を持つ親は、どんな気持ちでこの遊具広場で遊ぶ我が子を見るのでしょう。

私には、どうしても耐えられそうにありませんでした。

ごめんねきー君。

この公園でいっぱい遊んで、少ないけれどお友達もできて、新しいお家で家族との思い出もたくさんできて、何よりこのまちが大好きだったきー君。

やわらかく考えられない脳みそのママでごめんなさい。

ママはやっぱり諦められない。

心のどこかで細く残っていた芯みたいなものがポキリと折れて、何度も首を横に振っては蓋をしてきた思いが広がるのを止められませんでした。

みんなで引っ越そう。

引っ越したことによるデメリットはあるけれど…

引っ越したことによって感じたデメリットは2つ。

①せっかくできた友達とさよならしなければならなかったこと。

②私(ヤドママ)が退職しなければならず、フルタイムからパートになったこと。

コミュニケーションが不器用なきー君ですが、少しずつ友達もできていました。

親の考えでさよならしなければならなくなり、本当にきー君には申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

そして、ヤドパパは幸運なことにリモートワークだったためセーフだったのですが、私はそうはいかず退職することになりました。

距離的問題もありましたが、現在きー君が通っている療育がいわゆる『母子通園型』なため、時間的な問題からもフルタイムで働くことはしばらくできそうにありません。

やはり、2馬力が1馬力になってしまったダメージは大きいです💦

それでも。

幼児期の療育はとても大事で効果的であり、きー君には納得のいく支援を受けさせたい』というのが夫婦の考えのもと、引っ越すことを決めました。

市の制度を変えることは非常に難しい。

だけど自分たちの働き方や収入は、自分たちで何とかできる!!

そう自分たちを信じて、今一番必要なことを求めて引っ越しました。

もしも今受けている支援に対して疑問や不安を持っている方がいたら、一度他の自治体について調べてみることをおすすめします。

それでは、また!

追伸 1馬力になったらなったなりに、生活を見直して何とか毎月貯金することができるようになりました!

詳しくはこちらの記事↓

【自閉症児育児の悩み。療育通いでフルタイムで働けなくなり家計が大ピンチ⁉】一馬力の収入でも約30%を毎月貯蓄できるようになった、我が家の節約術を紹介します!【固定費編】

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