【令和6年4月~障害福祉法改正について①】個別療育が受けられなくなる?サービスを受ける側もしっかりと知識を付けることで、3年後に備えよう。【自閉症児育児】

療育

先日2月6日、厚生労働省より『令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要』が発表されました。

令和6年4月から施行されます。

その内容について感じたことを、書いていきたいと思います。

率直に言います。

今回の改正で、今後、適当にやっている事業所や悪徳な事業所は淘汰されていく可能性があるなと感じました。

これは本当に良いことだと思います。

しかし、残念な改正もありました。

”療育の時間が長いほど、報酬が高くなる。”

ということは…

ヤドママ
ヤドママ

近い将来、個別療育が受けられなくなってしまうのでは?

あくまで素人による解釈、素人による意見です。

ヤドママ1個人の意見ですが、どうかお読みください。

今回の改正について調べていくうちに、何とな~くで療育を受けている場合ではないと感じました。

この記事、ご自分のお子様が通う『児童発達支援事業所』や『療育の内容』について今一度考えるきっかけとなれば幸いです。

愛する我が子のため、受けるサービスについて知識をつけていきましょう。

知識があれば、必ず道は見えてくる!

それでは、お読みください!

改悪!?個別療育が今後受けられなくなる可能性

今回の改正により、令和6年4月から事業所が受け取る報酬の仕組みが変わります。

時間の長さによって報酬が決められるようになりました。

【30分以上~1.5時間以下】【1.5時間超~3時間以下】【3時間超~5時間以下】

3つの区分に分けられ、時間が長い区分ほど報酬が高くなります。

個別療育は、だいたい1時間のところが多いので、1番低い報酬区分に入ります。

専門性のある療育であれば加算(報酬UP)されたり、ケアニーズの高い児童を療育すると加算されたりして、個別の報酬の低さをカバーしていくようです。

※専門性のある療育…5領域「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」を満たした療育

いくら加算で補うにしろ、子ども1人に先生1人が付くので人件費も掛かり、個別はコスパが悪いということになります。

事業所の人
事業所の人

個別では割に合わないから、3時間超~の集団療育に切り替えよう!

という事業所が増えていく未来が見えてきませんか?

そうなるとどうなるか、考えてみました。

①個別療育を行う事業所がどんどん減っていく。  

②個別療育やってるとこ少ないじゃん。もう集団だけでよくね?個別の報酬もっと減らそ☆

③個別を真面目にやっている事業所にもダメージ。個別を続けられなくなる。

個別療育はなくなり、3時間以上の集団療育にシフトしていく流れにならないか、今から心配です。

個別療育が効果的な理由

先生と1対1で、環境を調整して行われる個別療育。

特に未就学児は1時間程度だからこそ、集中することができます。

特性を持った子ども相手ですから、先生だって3時間以上はきびしいはず。

きー君は、個別療育で本当に伸びました。

①個別療育で先生に評価(本人の特性、得意不得意などの分析)してもらいながら、評価に基づいたプラグラムを受ける。

②個別療育で学んだことを、集団療育に生かす

③集団療育で学んだことを、保育園や幼稚園の集団生活で実践汎化していく。

このステップが、特性のある子どもたちが集団生活をおくる上では絶対的に必要なんです。

感覚過敏・こだわり・コミュニケーションの難しさなどを持つ子どもをいきなり集団に入れても、パニックになるだけ。

きー君は小集団療育も受けていますが、小集団では走り回り手が付けられないこともしばしば。

個別療育並みに、きー君をじっくり評価するなんて無理です。

個別療育報酬DOWNを決定したお偉いさん達は、現場を見たことがありますか?

むしろ報酬UPすべきと思うのは、私だけでしょうか。

集団療育の中で個別療育を行ったら?というご意見に対して

個別療育がそんなにいいのなら、集団療育の時間の中で個別療育をやったらいいんじゃない?

今回の改正内容を検討する中で、このような意見が出てきたそうです。

絶句。

この衝撃、障害児をお育てのご家族にはわかっていただけますか?

集団療育の中で個別療育とな?

集団の中では特に多動を発揮するきー君。

集団の中で落ち着いて指示を聞き、椅子に座り、待つということはできません。

そもそもそれができたら、ここ(児童発達支援事業所)にはいません。

それぞれ特性を持ったお子様が集まっています。

走り回ったり、大声を出したり、泣き叫んだり、けんかしたり…

そのような環境の中で、個別療育などできると私は思えません。

先生も子どもも親も、ヘトヘトとなることでしょう。

集団療育の途中で取り出して、別室で個別療育を受けて、終わったらまた集団療育に戻るという流れも想像してみました。

場面の切り替え、苦手です。

集団のテンションで個別に突入、めちゃくちゃになること間違いなし!!

※あくまできー君だったら…という想像ですが、大なり小なり他のお子さんでも同じだと思われます。

3年後、杜撰(ずさん)な事業所は淘汰されていく?

改正は3年に1度行われます。

今回の改正では、どの児童発達支援事業所にも大きなダメージはないのかなと思います。

個別療育の報酬さえ下がりましたが、処遇改善加算(職員の賃金に関する加算)などにより全体的に基本報酬は「変わらない」かむしろ「少し上がる」ようです。

しかし、今回は3年後、6年後に淘汰されないための準備期間であり、この期間にしっかりと準備しなかった事業所の経営は難しくなっていくのではないかと私は考えます。

その理由は、改正でたくさん増やされた新加算(ちゃんと取り組んだら加算されて報酬UP)と未対応減算(取り組まなかったら減算されて報酬DOWN)にあります。

これが、今までテキトーにやってきた事業所には効いてくる。はず。

もしも、今回基本報酬が変わらなかったか少し上がったのが、昨今の子育て政策による期間限定であったとしたら?

3年後は下がる可能性もありうる。

その時に今回増やされた新加算で報酬アップし、未対応減算への対応で報酬ダウンさせないようにしておけば、基本報酬は大幅ダウンすることなく経営が守られる。

ろくに療育もせずにダラダラと子どもを預かり、加算減算対策をしなかった事業所は経営ができなくなる。

つまり、「今回は大目に見るけど、次は通用しないよ?」という予告なのかなと勝手に思っていますがいかがでしょうか。

新加算と未対応減算の内容は?

ひとつひとつを書いていくと長くなってしまいますので、詳しく知りたい方は厚労省のHPをご覧ください。

youtubeでも、分かりやすく解説された動画がいくつかあり勉強になりました。

いいな、と思った新加算の内容をズラッと。

1,専門的支援を実施したらUP↑

2,保育所、学校、就職先だけではなく、医療機関や児相とも連携とれてるとUP↑

3,高校生において、企業と連携し相談援助や体験等の支援をしたらUP↑

4,中核となる事業所(事業所間情報連携の会議開催、家族や自治体との情報連携)になったらUP↑

5,連携する事業所(情報連携に参画)になったらUP↑

まず、この加算の内容であれば、

悪徳事業所
悪徳事業所

国からお金出るし、事業所作ってみちゃお~♪

と、新規で軽々しく事業所を断ち上げることは難しくなりそうです。

「事業所同志でつながりましょう!」「お宅の事業所ではどんな療育やってますの?」

という場ができると、テキトーにやってきた事業所はさあ大変。

(ちなみにきー君の通う事業所は、中核となる事業所になりそうな動きがちらちら見えてきていますよ😊)

お次は、いいなと思った未対応減算。

1,5領域とのつながりがはっきり書かれた支援プログラムの作成・公表をした運営基準でなければ報酬DOWN↓

ごめんなさい、これは正直1個しかわかりませんでした😢

他にもあったら是非教えてください。

5領域というのは、「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」

例えるならば、こういうことですね。

政府の方
政府の方

運動をやっているだけではだめですよ!全部の領域を網羅した療育をしてくださいね。」

余談ですが、ある事業所のHPでこういうのを見たことがあります。

「運動で、脳の成長を促します!」「運動で、言葉能力を伸ばします!」「運動で、社会性を身につけさせます!」

これではダメということです。

何かを察知したのか、この事業所のHPは現在ほぼ真っ白になっていました。

今後どのようなHPがUPされるのか、今から楽しみです😊にっこり

我が子に良い療育を受けさせるために、親が今からでもできること

自分たちが受けているサービスにもっと関心を持ち、知識をつける。

今回の改正により、個別療育は軽視されていると感じました。

会議をしたお偉いさんたちは、現場をよくわかっていないのかもしれません。

ヤドママ
ヤドママ

大事な我が子の成長の場を、なくされては困る!!

わかってもらおうと口を開けて待っていてはいけません。

事業所の皆さんに任せっきりではいけません。

1番の当事者は私たち親です。

障害児の可能性を番身近に感じ、1番に願っているのは私たち親です。

私たち親もっともっと影響力を持つために、まずは知識を付けて現状を把握していきましょう。

事業所の良し悪しを、根拠を持って判断する。

これは前述の知識を付けることにつながっています。

今回の改正の内容について知ることは、事業所の良し悪しの判断の根拠になります。

例えば、新加算について取り組んでいく力がこの事業所にはありそうか。

事業所がやるべきことを、きちんとやっているか。

療育の内容は、基準を踏まえたものであるか。

例えば、先ほどの運動療育。←粘着してすみません。

知識があれば、

ヤドママ
ヤドママ

この療育は、国から求められている5領域を取り組めていないな。

我が子を通わせるのは、ちょっとやめておこう。

と判断できるわけです。

その事業所をダメとはいいませんが、3年後、6年後、その事業所の経営は大丈夫でしょうか?

判断する力を付け、いつの間にか我が子が通う事業所がつぶれた‼ということのないようにしていきましょう。

個別療育の存続のために、声を挙げる!

法改正の公表以前から、個別療育存続について危機感を持ち、署名活動を行っている団体がいらっしゃいます。

『個別療育を守る 保護者の会』様。

ヤドママは署名しました。

改正公表後も署名活動は続いており、今後の個別療育の存続のためにも署名は大いに意味のあるものと考えます。

あなたの声がチカラになります
#個別療育の危機 子どもの個別療育の助成継続を願います!

次の法改正は3年後。

3年後に「こんなはずでは!」とならないように、一緒にがんばっていきましょう!!

我が子が良い療育を受けられ、生きやすい未来となりますように🌟

それでは、また!

参考:(2024/2/13)

令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要
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