我が子に障害の疑いがかかったとき。
障害児育児で早めにぶち当たる問題のひとつが療育施設(児童発達支援事業所)選び。
療育の良し悪しによって子どもの成長が左右されるかもしれないとなると、信頼できる療育施設に我が子を通わせたいと思うのが親心。
せっかく施設に入れても、「やっぱり合わない」と施設を転々とするのだけは避けたいところです。
貴重な幼児期。すてきな療育施設を見つけて、親子で安心して通わせたいですよね。
今まで療育という言葉すら知らなかったヤドカリ夫婦が、どうやって今の療育施設を見つけたのか。
また、その時にどんなことに気をつけたのかを紹介します。
現在、「本当にここに通うことができてよかった!」と思える施設にきー君を通わせることができています。
少しでも参考になれば嬉しいです!
それぞれのご家族にとってぴったりな、良い療育施設が見つかりますように😊
周りの療育施設を把握する。
まず、自分達の住む市や近くの市にどんな療育施設があるのか調べました。
調べた方法としては以下の通りです。
①市役所に電話&実際に聞きに行く。
近くの市から始めて、とにかくよさそうだなと思った市には片っ端から電話していきました。
詳しく福祉サービスを教えてくれるところもあれば、そうでもないところもありさまざま。
主に聞いたのは以下の5つ。
・受給者証のとり方やとれるまでの日数
・療育を受けられる日数は月に何日か
・自閉症を診てくれる病院はあるか。質はよい?
・民間療育と公的療育の併用は可能か
・幼稚園や保育園の空きはあるか。加配をつける余裕はある?
引っ越しを決めて今住んでいる市では、全ての項目が納得できるものでした。
特に市役所の方の感じがよかったのもポイントが高かったです。
市にある民間の療育施設を一覧にした冊子もありますよー!と、自宅に郵送までしてくださいました🌟
施設の名前など基本情報はもちろん、施設の目標や方針、どんな資格を持ったスタッフがいるかなどが細かく書かれていてわかりやすい!
障害福祉に力を入れてくれていることが、しっかりと伝わってきました。
※以前住んでいた市ではそのような冊子はありませんでした。お住いの市の市役所に事前に確認することをおすすめします。
②市のホームページを検索する。
市によっては、上記の冊子のような内容をホームページに載せているところもありました。
民間の療育施設について載せていなくても、行政の行う公的療育施設について載せている自治体は結構多かったので、一度調べてみることをおすすめします。
公的療育施設は、民間に比べて待ちが多く、通えても月に1回とかのペースになることが多いようです。
しかし、たいていの場合専門家(言語聴覚士、作業療法士‥等)が在中していますので、行く価値は大いにあります。
民間は公的施設に比べて通える回数も多いですが、専門家がいるところは少なく、いたとしてもその施設はすごく人気です。人気ということは、つまりは入りにくい😞💦
公的療育と民間の療育の両方を受けられる市、どちらかしか受けられない市などさまざまです。
そこもしっかりと市役所に確認する必要があります。
③口コミを検索する。
グーグルの口コミも検索しました。
特に民間の児童発達支援事業所について調べるときには口コミをチェック!
全部を鵜呑みにすることはできませんが、実際に通っている人や見学に行った人の意見も書かれているので参考にさせていただきました。
全部の施設を見学に行くことは大変なので助かりました。
「ちょっといいかも」と思っていたところでも、口コミを見て見学することをやめたところもいくつかありました。
どのような施設に通わせたいのかを決め、施設をしぼっていく。
ざっと療育施設を調べて、実際に見学に行きたい施設をしぼっていきます。
その時に、やっておいてよかったこと。
それは、事前に本やyoutubeで自分たちも知識をつけておくことでした。
発達障害とは何か、子どもの発達の仕組み、感覚統合とは、療育にはどのようなものがあるのか…などなど、基本的な知識はいろいろな本を読んでつけました。
youtubeは実践を学ぶような感じで、実際に療育施設に子どもを通わせてる家族のチャンネルを見まくりました。
療育施設を経営している方やスタッフの方、専門家の方のチャンネルも数多く、療育施設の選び方を語っている動画もあって、こちらも検索しまくりました。
「きー君の成長を最大限に伸ばせるような環境を整えたい!」というのが夫婦の共通する考えとしてありました。
その上で、夫婦で勉強し合って、きー君をどのような施設に通わせたいか意見をすり合わせました。
すると、通わせたい施設の条件が見えてきました。
・保育園(または幼稚園)と療育施設、両方に通わせたい。
・親子通園型で、きー君がどのような療育を受けているのかをしっかりと見たい。
・専門家のいる施設に通わせたい。
条件が決まると、施設はどんどんと絞られていきました。
というか、ほとんど当てはまる施設がなく、結果きー君は隣の市の療育施設に通うことに(;’∀’)
それでも大満足の施設なので、結果オーライです🌟
集団療育と個別療育は、目的も様子も大きく違うことを知っておこう。
療育施設には、大きく分けて集団(預かり型)と個別(母子通園型)があります。
集団(預かり型)は、施設にもよるとは思いますが、基本的に長時間子どもを預かってくれて親子分離で通わせることができます。
同じく障害を持ったお友達と、一日を過ごします。
送迎をしてくれるところもあるようです。
個別(母子通園型)は、親子で通い、子どもが療育を受ける様子をそばで見守ることができます。
だいたい1回1時間以内のところが多いようです。
見守り方はさまざまで、同じ部屋で、マジックミラー越しに、別の部屋から映像を通して…など、施設によってスタイルがちがいます。
このどちらかを通わせたいかは、夫婦の考えと家庭の状況によって決めていくとよいと思います。
きー君はというと、現在個別療育に通っています!
その理由は以下の通りです。
①ママがパートになって時間がとれる状況である。
②預かってほしいのではなく、きー君の特性に合ったきー君のための療育を受けさせたかった。
③きー君の特性やその対応について親も勉強したかった。
④親がそばにいる状況では、変な対応をされることはないだろうという監視的な意味。←怖
ここでさらに欲張ります。
個別でしっかりも大事だけど、集団の中でお友達との関わり方も学ばせたい!!
個別か集団、どっちか選ぶしかないと思っていたヤドママ。
なんとヤドパパが、両方できる事業所を見つけてくれました✨
みなさんのお近くにも、もしかしたらそんな事業所があるかもしれません。
きー君は今の施設に週2回通っています。
1回は個別で1時間、もう1回は小集団(子ども5~6人)で3時間ほど一緒に活動する時間をとっています。
どちらも親同伴で正直疲れますが、小集団ではきー君の集団での過ごし方やお友達との関わり方の課題がよくわかります。
先生方もその様子を見てきー君の特性を把握したり、個別の療育に活かしたりしています。
個別療育で伸ばし、集団療育で練習し、保育園等で実践する!
最高の流れかな、と思います😊
最も重視したのは、療育の専門家がいるかいないか。
療育の専門家とは、療育について専門の免許を持つ方たちを言います。
・言語聴覚士(ST)…口の中の操作・言葉・コミュニケーションなど
・作業療法士(ОT)…姿勢・感覚・手先などの細かな動きなど、幅広く
・理学療法士(PT)…運動発達・姿勢・歩行など、ダイナミックな体の動き
・臨床心理士(CP)公認心理士(CPP)…発達検査ができる・認知・言語・運動など、広く浅く
※CPは民間資格、CPPは国家資格
そして、療育施設には保育士がいて療育を行うことが多いです。
なぜ専門家がいることにこだわるのかというと、専門家はその子の特性を見極めて評価をすることができるからです。
評価することが大切な理由。
それは、同じ障害名を持つ子どもでも特性は本当にさまざまだから。
そして、その子が今何に困っていてどんな療育が必要なのかということが見極められていないと、療育の効果は得られないと考えるからです。
では、専門家だけがいればいいのかと聞かれると、そうではありません。
ここで重要なのが、保育士です。
保育士は、子どもの遊びを考えることが本当に上手です。
例えば「この子は手首を使った運動を取り入れるといい」となったときに、子どもはトレーニングのようにそれだけをやるということはなかなかしてくれません。
そこを保育士が魅力的な遊びにかえて、楽しく子どもに取り組ませていきます。
子どもに対する声掛けも、さすがです。
専門家が評価し、それをもとに保育士が遊びを考え、遊んでいる様子をまた専門家が評価し…というのが最強ではないかと私は考えます。
専門家がいる施設を探すときに気をつけたいのが、施設のホームページです。
一見すると専門家が施設にいる、またはときどきでも施設に来て子どもを評価している?かのように見えるものがあります。
一度そのような施設にきー君と通ったことがあるのですが、(結構全国的に手広くやっている施設)そこには保育士しか在中していませんでした。
子どもに対する評価も、親からの聞き取りのみで療育が行われていました。
「有名心理士〇〇監修!」「作業療法士〇〇メソッド」といったところでしょうか。
きちんとした評価がないまま療育が行われるとどうなるか。
何か気になることはないかと聞かれ、「ハサミが使えない」といえばハサミを使う活動。
「数字が読めない」と言えば数字の練習が行われました。
親の要望を叶えることは、本人の成長を最大限に伸ばすこととちがうのでは?
そもそも障害者育児の初心者である親が、的外れなこと言ってたらどうするの?
本人が何に困っているのかを見極め、原因を分析して活動を考えるのがプロってものでは?
そこの施設は3か月ほどでやめました。
実際に見学に行ってみる!
希望の施設が絞られたら、さっそく見学です!!
事前に施設に電話をして日程などの調整をしていきます。
電話の時にきー君の特徴を聞き取って、見学のときに実際に療育をしてくださる施設もありました。
見学前にズームでスタッフと親が話す時間を設け、きー君の特性を探って分析した資料を送ってくださる施設もありました。
しかし私の考えは、「親の目から見るきー君の姿だけでは、正しく評価はできない。専門家による評価が必要」なので、上記の対応は施設を選ぶ決め手にはなりませんでした。
見学に行ってみると、スタッフの感じ、施設の雰囲気、そこで受けられる療育の様子などが実際にわかります。
スタッフはいきいきとしているか?
施設は清潔で手入れが行き届いているか?
療育は我が子にあっていそうか?をガン見してきました。
見学に行くと、ホームページでの印象とはまた違った印象を受けることがありますので、見学は絶対に行ったほうがいいです。
満足いく療育施設に通うことによって、自然な家族の生活に
満足のいく療育施設に通うことにより、家族に余裕がうまれました。
「本当にこの療育の仕方でいいの?」という不安がなくなり、親子で共に学ぼう!という前向きな気持ちになれました。
以前は、「自分たちで何とかしなければ!」と家での療育にのめり込み、うまくいかずに毎回落ち込む日々でした。
ペアレントトレーニングも受けました。
頭では理解しているものの、なかなか行動につながらない自分が情けなくて自分を責めました。
うまくいかないイライラによって、夫婦での喧嘩も増えていきました。
今通っている療育施設の先生に、「家でも何か取り組んだ方がいいですか?」と質問したことがあります。
「こちらに通っていただくだけで、十分きー君は伸びていくと思いますよ。
遊びを通しての療育と言えど、こちらがさせたいことをきー君にしてもらっているわけですから、少なからず負荷がかかっていると思います。
お家ではなるべくリラックスして、きー君もママも自然体でいてくださいね😊」
と先生から言っていただいたときには、肩の力がすーっとぬけたようでした。
自分たちの療育に自信がなければなかなか言えないことだと思います。
「頑張りすぎなくていいんだよ。」と言っていただけた気がして、自然な家庭生活へと戻ることができました。
本当にこの施設に通うことができてよかった、と思っています。
きー君も、週2回の療育を楽しく通っています。
みなさまがそれぞれに満足のいく施設に通うことができますように!!
少しでもこの記事が参考になれば幸いです。
それでは、また!