手先が不器用・癇癪持ちの自閉症きー君。お箸で使っている道具と、上達するための遊びを紹介します!【作業療法士さんと書籍から学ぶ】

生活動作

みなさんのお子さんは、上手にお箸を使えますか?

きー君はというと、手先の不器用さ+やりたくないことは絶対にやらない!というポリシー?のもと、なかなかお箸が上達しません。

3歳頃からお箸の存在をアピールしてきましたが、持ち方を教えようとすると癇癪をおこします。

何とか機嫌のいいときを見計らって教える努力もしましたが、まるで猛獣に餌を与えるときのようなスリルを毎回味わうので、練習させよう!という意識は捨てました。

①無理に箸を使わせない
②遊びで発達を促し、箸を使えるようになるまで待つ


以上を心掛けてボチボチ取り組んでいるのが我が家のスタイル。

うちの子なかなかお箸を使えるようにならない。
どうしたらお箸を使えるようになるのかな?
教えようとしても素直に聞いてくれないんだけど…
おすすめの道具や遊びがあれば知りたいな!


このようなお悩みに対して、この記事では以下のことを紹介します。

・おすすめのお箸は?
・お箸を使えるようになるためのおすすめの遊び7選
・生活動作を教えるときに、いつも参考にしている書籍を紹介します!
・私(ヤドママ)のお箸の練習に対する持論

ヤドママ
ヤドママ

自閉スペクトラム症の5歳の息子(きー君)と、今のところ定型発達であろう2歳の娘(あーちゃん)を育てています!

障害児育児は5年目。15年間学校教育に携わる仕事をしてきましたが、きー君の障害発覚を機に退職。現在は、パートをしながら療育や子育てに専念しています。
今までに経験したことや学んだことをブログで紹介していきます!


買ったお箸は数知れず。お箸代もバカになりませんので、こちらの記事を参考にしていただきみなさんの出費を少しでも抑えられたら幸いです😊

それでは、ぜひお読みください!

おすすめのお箸は、エジソン箸&アンパンマン持ち方覚え箸!!

・エジソンのお箸            ¥1.320(税込)
・アンパンマン持ち方覚え箸 Мサイズ  ¥1.670 (税込)

いろいろなお箸を購入した結果、以上の2つのお箸をおすすめします!

まずエジソンのお箸をおすすめする理由としては、開いたり閉じたりカチカチしやすさが抜群だから。
リングが付いた他社のお箸も複数試してみましたが、敏感なきー君には少しの開閉のしにくさも伝わってしまい、使ったのは1回きり。キッチンで眠っています。
スルスル簡単に使えるのが楽しいからか、どんなお箸も使いたがらなかったきー君ですが、今では毎日使用することができています😊
写真は左利き用のお箸で私が購入した時にはにわとりの柄一択でしたが、お子さんが右利きであれば絵柄も複数展開されていると思いますので、お子さんとお箸を選んで購入することも可能です。

次におすすめするのがアンパンマン持ち方覚え箸
これは、療育先の作業療法士さんが使用していたものと同じもの
エジソンのお箸のようなリング付きお箸が上手になったら、リングなしのお箸に移行するときのために購入しました。エジソンと併用しながら少しずつ使用しています。
こちらのお箸は、親指を置く位置がわかりやすい!開閉もしやすく、上達に合わせてサポートを減らして最終的に普通のお箸として使用することが可能。ケース付きで持ち運び可能なので、たまに「これじゃなきゃいや!」と自分のものしか使わないというこだわりを発動するきー君にもぴったりです。

ちなみに、作業療法士さんによってはエジソンのお箸をおすすめされない方もいらっしゃいます。
理由は、エジソンのお箸は使いやすい反面、指先の力ではなく手全体をグーパーするだけで使えてしまうから。
なるほど、とも思いましたが、ちょっとの失敗も癇癪につながるきー君にとってエジソンを楽しく使えることは自信にもつながりプラスかなと思ったので使用しています。
アンパンマンの方は、よくないという意見は作業療法士さんから今のところ聞いたことはありません。

なので、上記の2つのお箸をおすすめします✨

おすすめの遊び7選【手の発達を促し、お箸の上達を目指す】

お箸を上手に使えるようになるためには、大前提として少なくとも以下の発達を促す必要があります。

これらのポイントが育ってきて初めてお箸が使えるようになります。なので、いきなりお箸の練習をさせてもなかなかうまくいかない理由がわかると思います。
子どもは、特に特性のあるお子さんは訓練なんかはしてくれませんので、遊びで楽しく取り組んで発達を促していく必要があります。

おすすめの遊びを紹介します。

瓶の中のボールを取る(作業療法士編)

トングで瓶の中に入っている玉(柔らかく、手芸用品としてよく売ってるやつ)を取り出す遊び。
瓶の中にトングを入れ、玉を挟んで取り出します。療育先の作業療法士さんが毎週きー君に行っていました。玉を食べ物に見立てて人形に食べさせる…という繰り返しでしたが、きー君は喜んで取り組んでいました😊
握る力・つまむ力はもちろんのこと、トングや瓶をいろいろな角度に変えないと玉を取り出せない(トングや瓶は机の上には置かない)ので、手首を動かすのはもちろんのこと、姿勢を保つ&肩回りの力を鍛えることにもつながり最強の遊びです。

くるくる魚釣り(作業療法士編)

ラップの芯にタコ糸を巻きつけ、魚を釣る遊び。
くるくるとタコ糸を巻いたり伸ばしたりすることで、握る力+つまむ力+手首を動かす力が身に付きます。立って行うことで、姿勢を保つ&肩回りの力も身に付きます。

でっかいホワイトボードにお絵かき(作業療法士編)

鉛筆を正しい持ち方でお絵描きできるようになると、お箸を上手に持てるようになってくると言われています。
特に、壁に向かってお絵描きすることはとっても効果的だそう。
鉛筆を握る手の形を見てみると、手首を後ろに反らしていることがわかるはずです。手首を後ろに反らし、安定させることで指先を自由に動かすことができます。壁に向かってお絵描きするときには、必然的に手首が後ろに反れるので練習にはもってこいな遊びなのです。
応用して、お家でもお風呂の壁にお絵かきグッズを置いて取り組んでいます✐

こちらの記事もぜひ参考にしてみてください↓

お家療育をがんばり過ぎなくなった理由と、我が家で行っている”ちょこっと療育”を紹介します!【自閉症児育児】

かき氷orパナップを食べる(お家編)

こちらは自宅で取り組んでいることのひとつ。遊びではありませんが、とっても意欲的に取り組んでくれるのでおすすめです😀普通に食事するときにはスプーンを赤ちゃん握りにして食べるきー君ですが、なぜかかき氷やアイスは三指握りでかっこよく食べます。細かく指や手首を動かす&反対の手で対象を持つ&しっかりとした姿勢を保つ必要があるからでしょうか。
大好物をこぼすことだけは避けたいという気持ちが、発達を促しています。笑

おはじきを穴に押し込む(お家編)

100均のタッパーなどにカッターで切れ込みを入れて、おはじきを指で押し込む遊び。
こちらはyoutubeで紹介されていた遊びを参考にしました。
ぐっと力を入れなければ入らないくらいの穴の大きさにするのがポイント。写真では分かりづらいですが、一本線と十字の穴を開けています。さまざまな方向でチャレンジできるようにするためです。
なれてきたら筒状の入れ物でトライ!(写真左)反対の手で押さえながら取り組むことで、姿勢を保持する力にもつながります。
ボタン掛けの練習として作成しましたが、指先の発達を促すのでお箸の練習にもなるのでおすすめです!

※誤飲には充分に注意、お子様から目を離さないようお気を付けください!

洗濯ばさみ(書籍編)

こちらは自宅にある書籍より。洗濯ばさみを厚紙などにつけたり外したりする遊びが非常に有効であると、紹介されていました。洗濯ばさみを親指と人差し指でつまんだり外したりすることで、指の筋力強化や指先の感覚を鍛えることができます。
よくお箸の練習のとき指でピストルの形を作らせますが、使っている指が一緒ですね!

手押し車(書籍より)

手押し車の姿勢をとるだけでも姿勢を保つ練習になります。手首を反る感覚も身に付きます。
遊びの書籍には必ずと言っていいほど手押し車が紹介されていますし、今まで5人ほど作業療法士さんにきー君を見ていただいたことがありますが、みなさん手押し車をおすすめしていました。
最初は腰からひざ、足首へと徐々に支える位置を変えることで子どもにかかる負荷を調整できます。

いつも参考にしている書籍を紹介します

・発達が気になる子の脳と体をそだてる感覚あそび          ¥2,420(税込)
・発達が気になる子へのスモールステップではじめる生活動作の教え方 ¥1,980(税込)

左の書籍は、困りごとに対してどのような遊びが効果的なのか知りたいときに便利です。
「そわそわ動いて、じっとしていられない」「前転ができない」「手につくのを嫌がる」などなど、困りごとに対してそれは何が原因で、どのような遊びが効果的であるのかを教えてくれます。

右の書籍は、生活する上で必要な生活動作の教え方がわかります。
遊びで発達を促すことも大事ですが、しっかりと動作を教えていく場面も必ず必要になってきます。そんなときに、この本を見れば教え方がスモールステップでわかるのでおすすめです。

あせらず発達段階に応じて取り組もう

「周りの子はもうこんなことができている」
「どうしてこんな簡単なこともできないの?」
「定型発達だったら、こんなに苦労せずに教えることができるんだろうな…」

以前の私は、こんな考えが常に頭を支配していました。
開いてく周りとの発達の差へのあせり、教えようにも癇癪を起されスムーズにいかない苛立ち
幼稚園ではさみの活動が始まれば無理やりはさみを持たせて家で練習、周りがお箸を使い始めればあせってお箸を買い与えていました。

そんな経験を積み重ねて悟ったことは、発達段階をすっとばしても、できないものはできないということ。
無理やりやらせたところで子どもはストレスがたまるし、親の気持ちはすり減ります。

落ち込んでいる時間がもったいない。できないことを悲観している時間があったら、「できない原因は何か?」「我が子の成長段階は今どこで、どんな遊びが有効なのか?」と考えることに時間を割きましょう。

今回のお箸について言えば、最初は全くお箸が持てずエジソン箸ですら癇癪を起していたきー君。
しばらくキッチンに封印されていましたが、スプーンや鉛筆が正しく持てるようになってきたのを見計らって再度与えてみたところすんなりと使えるように。
今では「エジソン箸持ってきて!!」と癇癪を起こすようになりました。←え?
きー君、よおがんばっとる👍


あせらずやっていきましょう。
今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです😊



それでは、また!



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