【令和6年4月~障害福祉法改正について②】専門家が今後自発から減っていく可能性について【自閉症児育児】

療育

令和6年2月6日に『令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要』が発表され、4月より施行されます。

詳しい内容については過去の記事【令和6年4月~障害福祉法改正について①】個別療育が受けられなくなる~でもまとめていますので、ぜひご覧ください。

その内容の中で、さらに児童発達支援事業所および放課後等デイサービスの行く末が心配になるものがありました。

令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要の37ページ。

「児童指導員等加配加算」「専門的支援加算・特別支援加算」の部分。

上記の改定により、

専門家(理学療法士等…)が小児領域をやめて他に行ってしまうのでは?

新規で小児領域に参入してくる方がいなくなってしまうのでは?

と不安になりました。

今回の記事の『専門家の先生が減ってしまうかもしれない3つの理由』という部分は、【こども発達LABO.】さんのyoutubeを参考にさせていただいています。

理学療法士であり「児童発達支援ゆず」を運営されているにしむらたけしさんと、言語聴覚士のむぎちょこさんご夫婦のチャンネルです。

今回の法改正について、とてもわかりやすく解説されており勉強になりました。

リンクを貼らせていただきます↓

・今回の改定は初耳で、まだよくわからないという人

・今回の改定によって、自発や放デイにどのような影響があるのか心配な人

この記事が以上の方の参考になり、障害福祉法の今までとこれからについて考えていくきっかけになれば幸いです

ぜひ読んでいただき、障害福祉法や障害児支援のこれからについて一緒に考えていきましょう!

専門家の先生が減ってしまうかもしれない3つの理由

専門家よりも経験年数のある人を重視

改正前は、”専門家を配置する”ことで高い加算が得られていました。

しかし、今回の改正により、専門家であろうがなかろうが経験年数が長い人(5年以上)により高い加算がされることとなりました。

経験年数5年未満の専門家よりも、経験年数5年以上の無資格の人を配置した方が加算される点数が高いということです。

専門の知識や技術を学んで、資格をとった専門家の方々をもっと大切にするべきだと思うのですが。

経験年数で療育の質が測れるのでしょうか。

職場にいたら困る存在。

働かないおじさん、働かないおばさん。

経験年数5年以上の無資格の人が、その部類だったら?

もし私が専門家だったら、自分の実力を粗末にされる職場にわざわざ就こうとは思いません。

専門家の先生は小児領域以外にも働き口はありますから、他に行こうと考えてもおかしくありません。

もうひとつ心配なこと。

「加算なんて関係ない!うちは専門性を重視していくんだ!」とよっぽど信念をもっていない限り、経験年数の短い専門家よりも経験年数だけは長い無資格の人の方が採用される可能性が高まるのではないかということ。

ますます専門家を置いた事業所は減っていき、小児領域の専門家のなり手も減っていく…という悪循環が予想されます。

療育の質よりも時間の長さを重視

今回の改正で、”療育の時間が長い方が加算される”ことになりました。

極端な話、個別でしっかり療育!よりも、ダラダラ預かる3時間のほうが有利。

専門家による質の高い個別療育を行う事業所と、ただただ子どもを預かっているだけの集団療育を行う事業所があった場合、長時間の預かりの方が加算の点数が高いということです。

このことから今後以下のようなことが予想されます↓

専門家による個別療育に力を入れている事業所は割に合わず、経営が難しくなっていく。

保育士等による個別療育を行う事業所は、長時間の集団療育に切り替えていく。

小児領域から専門家ますます減っていく可能性が考えられます。

全ての集団療育を行う事業所を悪く言っているわけでは決してありません。しかし、実際ただ預かっているだけの事業所も存在すると感じています。(過去の記事→「ここ、やめとこう。」と感じた児童発達支援事業所のエピソード。【自閉症育児に見極める力は必須】をお読みください。)そのような事業所が得をしていくのは、私(ヤドママ)は納得いきません。

専門家1人にかかる負担増

改正前は、”専門家が事業所にいるだけ”でも高い加算が得られていました。

今回の改正により、配置するだけでの加算の点数は減り、その専門家が実際に療育を行うことで得られる加算が設定されました。

すでに専門家を配置していて長時間の集団療育に切り替えない事業所は、1日の個別療育の回数を増やしていくことで点数を補っていくことが考えられるそうです。

専門家の個別療育を受けていて思うのが、先生たちは1回の療育にかなりの神経や労力をかけられているということ。

特性のある子を相手に、知識と技術を総動員して療育にあたってくださっています。

療育の時間の中でその子を評価し、適切な遊びを考え、次の療育ではどのようなことをしようかと考え計画を立てる。

専門性が高く良質で、とても手間のかかる個別療育。

その回数を増やしていくとなると、専門家の先生方は本当に大変だと思います。

専門家の個別療育はやっぱりすごい!

子どもは大人とはちがって、訓練などはなかなかやってくれません。

遊びを通して成長を促す必要があります。

専門家の個別療育では、その子の特性や得意不得意、能力等を遊びを通して評価してくれます。

そして、評価をもとにその子に合った遊びを行います。

例えばハサミを使うことが苦手なきー君。

専門家は、ハサミをひたすら練習させることはありません。

きー君がハサミを苦手とする原因に立ち返って、そこから遊びを考え伸ばしてくれます。

親にも評価のフィードバックをしてくれるので、我が子への理解が深まります。

実際に専門家の個別療育に1年通ってみて、きー君は着実に成長しました。

きー君も毎週の療育を楽しみにしています。

きー君
きー君

〇〇(←事業所の名前)の先生が保育園にもいてくれたらいいのになあ😊

と言っていたこともあるくらいです。

「自分のことをわかってくれている」

「ありのままの自分を受け入れてくれている」

「がんばりを認めてくれている」

専門家の先生の技術あってこそです。

保育士だけの事業所を選んではいけないの?

療育を行うのが保育士のみという事業所は、結構多いかもしれません。

保育士のみの療育は実際どうなのか?

全ての事業所がそうとは限りませんが、実際にいくつか見学したり通ってみたりした感想として。

「本当にきー君に合ったプログラム(療育の内容)なのかな?」

「このプログラムの根拠は?」

「きー君が何に困っていて、その原因はなんなのだろう…」

と、毎回不安や疑問が残りました。

保育士は遊びを考える天才。

子どもに対する声掛けや遊びの工夫が上手で、園生活についての知識も豊富。

しかし、評価あっての療育

専門家の評価をもとに保育士が遊びを考えた時に、効果のある療育となると考えます。

決して、保育士のみの療育を選んではいけないと言いたいわけではありません。

ただ、保育士のみの事業所に通う際には、誰が・どのように・どんな評価をして療育が行われているのか確認することは大事だと思います。

専門家のいる事業所の現在

今回の法改正によって、専門家を置く事業所に変化はあるのか。

きー君の通う事業所には、今のところ大きな変化はなさそうです。

専門家による個別療育も、今まで通りに行われます。

1つ心配なのが、お辞めになる専門家の先生がいるということ。

個別療育も、小集団療育でも活躍されている若い先生でした。

(きー君の事業所は個別・小集団両方が受けられます)

法改正が、専門家の先生へ悪影響を及ぼしての結果でないことを祈ります。

支援される側ができること

次の改定は3年後

それまでに私たち保護者は、自分達が受けている福祉サービスについての知識をつけておくとよいと思います。

法改定までの動きをキャッチしておくことで、いきなりの改悪を防ぐためです。

国の支援による福祉サービスは、本当にありがたいです。

反面、不安定さというのも感じました。

現場をよく知らない人たちによって、今までよかったものもガラッと覆されてしまう可能性があると危機感さえ感じました。

だから、おんぶにだっこではいけない。

実情を1番よく分かっているのは私たち保護者です。

支援する側と支援される側が両輪となって、障害のある我が子が生きやすい世界を考えていく必要があります。

支援される側が意見を言うということは、ときに図々しいと思われるかもしれません。

でも、支援する側とされる側って紙一重では?

突然事故にあったり、病気になったり、将来生まれる自分の子に障害があったり…

自分やその家族に困難が降りかかってしまったとしても。

それでも強く生きようとする人たちに冷たい世界なんて、私は嫌です!

「こんなことに困っているよ!」

「こうしてほしい!」

「こうしてほしくはない!」

そして、

「いつも助けてくれてありがとう!」

きちんと知識をつけ、自分の気持ちをしっかり伝え、感謝の気持ちを忘れない。

私たち支援される側ができることの1つかな、と思います。

我が子の笑顔を守るため、私はこれからも発信し続けます!

それでは、また!

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