みなさんのお子さんはスムーズにトイトレが進んでいますか?
ご褒美のシールもだめ、スタンプもだめ、パンツが濡れてても全然へっちゃらだったきー君。
言葉でのやり取りもいまいちだったため、作戦は次々に打ちのめされていきました。
トイレのご褒美にお菓子を与えてしまったけれど、これでいいのかな?
いつか、お菓子なしでもトイレができるようになるのかな?
こんな風にご褒美のお菓子をやめた!というエピソードがあれば知りたい。
このようなお悩みに対して、この記事では以下のことを紹介します。
・ご褒美にお菓子をあげた結果
・ご褒美お菓子のやめ方の手順
・ご褒美にお菓子は本当にダメなのか
・自閉症育児は、一本道ではない
自閉スペクトラム症の5歳の息子(きー君)と、今のところ定型発達であろう2歳の娘(あーちゃん)を育てています!
障害児育児は5年目。15年間学校教育に携わる仕事をしてきましたが、きー君の障害発覚を機に退職。現在は、パートをしながら療育や子育てに専念しています。
今までに経験したことや学んだことをブログで紹介していきます!
それでは、お読みください!
ご褒美にお菓子をあげた結果…
結果として、約半年でトイトレは完了。
その間3歳0か月~3歳6・7か月。
トイトレ開始から半年で、一人でトイレで用を足せるようになる&一日中パンツで過ごせるようになりました🎊
しかーし!!
5歳の誕生日を迎えるその日まで、トイレ後のお菓子はやめられませんでした。
その間なんと、2年。
一時期はおやつのために何回もトイレに行くようになり、数滴おしっこしてはおやつを求められる始末。
ママ、出た!
(おしっこ1~3滴)
このままお菓子を食べ続けるようになったらどうしよう…
正直、かなりあせりました。
ある程度トイトレが進んできたところを見計らって、お菓子を徐々になくしていく作戦を開始しました。
ご褒美お菓子のやめ方の手順
それでは具体的に、どうやってご褒美のお菓子をやめていったのか。
やめ方の手順を紹介します!
お菓子を徐々に小さくする
まずは、お菓子を徐々に小さなものに変えていきました。
最終的に落ち着いたお菓子がこちら↓
『つぶグミ』というグミで、スーパーなどに普通に売っています。
一粒が小さく、表面がコーティングされていてくっつきにくいのでちょいちょいあげるのにぴったり!
①「小枝」というチョコレートの個包装(5本くらい入ってる)
②小さいゼリー(お子様ランチについてくるようなやつ)
③ラムネ
④つぶグミ
様子を見ながら、①から④へお菓子をサイズダウンしていきました。
ちなみに、ラムネはサイズ的にはよかったのですが、すぐに口の中で溶けてしまい満足できなかった様子。
「もう一個食べたい!」の癇癪がはじまってしまったためつぶグミに変更しました。
小さいですがある程度もぐもぐと噛んで食べられるため、満足感があったようです。
さらに、作業療法士からグミを噛むことはお口の発達にもよいと聞いていたので、一石二鳥だと思い与えていました。
※お子様の発達に合わせ、与える際にはのどをつまらせないよう十分にお気をつけください。
お菓子を与えるタイミングを徐々に延ばす
こちらは、お菓子のサイズダウンと同時進行で実施。
お菓子を与えるスパンを徐々に延ばしていき、「手を洗ったらお菓子」というところまでもっていきました。
①便座に座ってふんばったらお菓子。
②便座に座って、排泄したらお菓子。
③便座に座って排泄し、自分で拭いたらお菓子。
④便座に座って排泄し、自分で拭いて、手を洗ったらお菓子。
私自身、トイレで食べさせることに若干抵抗があったので「手を洗ったらお菓子」という目標ははじめから頭の中にありました。
トイレをした手でお菓子を触らせたくなかったので、③までは私がきー君の口にお菓子を運びました。
ラムネやつぶグミには一袋にいろいろな味が入っていたため、自分で味を選びたくなってきたきー君。
おトイレの手だとばっちいよ。
手を洗ったら、自分の手でお菓子の味を選べるね!
(そうかも!)💡
それでもはじめはトイレでお菓子を要求していたため、まずはトイレをしたらグミ。
トイレから出て手を洗ったら、自分で味を選んでさらにグミを食べていました。
「トイレを出たら手を洗う」という流れがスムーズになってくると、トイレをした後のグミを忘れるように。
自然と、手を洗ったあとのグミ1つだけになっていきました。
ご褒美なしでのトイレが最終目標であることを予告する
トイレ→手を洗う→グミ…の流れがスムーズになってきたあたりから、いずれお菓子はなしになるということを予告していきました。
あ!もう袋にちょっとしかグミ残ってないよ。
この袋のグミがなくなったら、グミなしでトイレがんばってみよっか!
イヤッ!!
そんなやりとりを、癇癪にならない程度に何度も繰り返しました。
外出先でのトイレを楽しむ
ショッピングモールなどに出かけた時は、なるべくトイレに連れて行くようにしていました。
新しくできた商業施設のトイレって、きれいで明るい雰囲気なところが多いですよね✨
男子・女子トイレではなく、子ども専用トイレの空間があればなおよし!
かわいい雰囲気のトイレに気が逸れて、外出先でお菓子を求めてくることは1回もありませんでした。
ちなみに、立ってするタイプの便器で用を足せた日から、トイトレがグンと進んだ感じがありました。
立ってする方が楽しくもあり、自信にもつながったようでもあり。
それからというもの、お家のトイレでも便座をあげて立ってするようになったきー君。
『便座に座る』という工程がなくなって、親も子も楽ちんになりました。
お菓子を固定する
トイトレが完了し、あとはお菓子をやめるだけ!となってからはお菓子は同じものに固定。
つぶグミは、お菓子の固定化にもおすすめ!
期間限定の味やプレミアムな味などさまざまな味が展開されており、トイレをしぶりだしたときには味を変えて何とかやり過ごしました。
ご褒美のお菓子はあくまで『つぶグミ』であることつらぬき通し、最後は一番のお気に入りの『つぶグミソーダ』に固定化。
この頃にはお菓子を食べることを忘れることも増えてきました。(50回に1回くらい)
お菓子の卒業が何となく見えてきて、自らを鼓舞するヤドママでした。
誕生日などの節目を利用する
ご褒美お菓子に終止符を打ったのが、5歳の誕生日でした。
誕生日の1か月前くらいから予告。
もうすぐ5歳のお誕生日だね。
5歳になったら、おトイレのグミはおしまいにしようね!
わかった!
4歳の誕生日のときには拒否されましたが、5歳の誕生日ではすんなり受け入れてくれました。
かたくなに拒否していたものでも、急に受け入れてくれることがきー君にはよくあります。
聞いていないようで、激怒しているようで、実はきー君なりに一生懸命考えてくれていたんだろうなと嬉しくなります。
今まで積み重ねてきたことは無駄ではなかったんだと、日々の努力が報われる瞬間です。
お誕生日前日の夜まで、しっかりとつぶグミをほおばるきー君。
そして、お誕生日の朝。
グミ食べなくてもおトイレできたよ!
誇らしげに報告するきー君の表情は、今でも忘れられません。
お菓子をやめるまでに約2年。
合計でつぶグミを何粒食べたのかは、計算しないでおきます。
ご褒美にお菓子は本当にダメなのか
そもそも、ご褒美にお菓子って本当にダメなのでしょうか?
私の考えとしては、子どもの実態に合っていれば与えてもよし!
そりゃあ、お菓子以外の方法でいけるんだったらそうしたいですよ。
だけど…
ほんとに、ほんとーーに!
お菓子以外の方法はきー君に通用しなかったんです(´;ω;`)ウッ…
こんな記事を見つけました↓
・発達障害のADHD(注意欠如多動症)を抱える人の脳では、長期的な利益のために我慢をする「報酬系機能」と呼ばれる機能が低下していることがわかっています。
・様々な支援がありますが、1つは「ご褒美を積極的に使ってしまう」という方法があります。
例えば、お小遣いを毎月600円などで渡すのではなく、「宿題をして、明日の準備をして、家のお手伝いをすれば20円」など適切な行動に対して報酬を設定します。引用:こども発達支援研究会
「報酬系機能」が低下していると、こんなことになりがちなのだそう。
・長期的な利益のために我慢することが苦手
・興味関心があることには非常に意欲的な反面、興味がないものはほぼ反応しない
ちょっと待って。まんまきー君やないかいΣ(゚д゚lll)ガーン
ご褒美にシール作戦もやりましたが、シールを集めることに全く興味を示さず断念。
キラッキラの高いプラレールのシールを買ってきてもだめでした。
「シールを集める目的があればいいかも💡」と、当時の療育先の先生にアドバイスをもらい「シールを5個集めたら、きー君の大好きな水族館に行こう!」とやってみました。
何とかしぶしぶシール集めに付き合うきー君。
すごいきー君!
5個シールがたまったから、今度のお休みに水族館に行こうね!!
いやああああ゛!!!
今がいい!!
今行くのーーーー😭!!!!!
大癇癪勃発。
きー君に『後で』『今度』などの長期的な利益は通用せず、『今』『すぐに』が全て。
トイレ行ってすぐに大好きなお菓子ゲット!と、こまめに報酬を得られることはきー君の特性にがっちりとハマっていたのでした。
報酬系機能のことからも、ご褒美にお菓子というのも理にかなってはいたのだと思いつつも…
めんどくさいからお菓子あげちゃおう~楽だし!という気持ちではいけないとも思います。
ご褒美にお菓子を与えることに対して、ネガティブ寄りな意見ももちろんあります。
キャンディ、アイスクリーム、ポテトチップスなど食べ物のご褒美をあげるのは、 短期的には効果があるかもしれませんが、ご褒美として食べ物を使うことに警鐘を鳴らす専門家もたくさんいます。 お子さんがある特定の食べ物(例えば、お菓子)を 、親を喜ばせたり、何か「良い」ことをした時にもらえるものと考え始めるのは望まないことだと思います。この年齢の子どもたちは、自分の身体から出ていくものだけでなく、身体の中に入ってくるものもすでに自分で支配しつつあります。食べ物の問題は、トイレトレーニングに持ち込むより、むしろ別に取り組むのにこしたことはありません。
引用:パンパース
これは本当にその通り。
何をするにもお菓子を目的に行動する人になっては困りますし、お菓子の食べ過ぎだって心配です。
お菓子なしでやれたら一番いいと思いますが、我が家は断念。
終わりの見えない戦いをするよりも、お菓子の力を借りてでもトイレができた経験をできるだけ早く積んでもらうことの方を選びました。
そのうちお菓子なしでもトイレに行ける!という母親の勘?もあり、私はお菓子に頼りました。
メリットとデメリットを踏まえた上で、子どもの様子から判断し、気長に、お菓子なしでできるようになることを目標にやるんであればОKだと私は考えます。
自閉症育児は、一本道ではない
定型発達児の育児だって一本道ではないことはわかっています。
だけど、自閉症育児の場合、王道をいくことがなかなか難しい。
この道を行けば、だいたい大丈夫!ということが通用しないことが多いです。
さらに、自閉症といっても一人一人の特性はさまざま。
独自の道を切り開いていかなければならない場面が、今までもいくつかありました。
今回のトイトレの件もそう。
感覚特性、こだわり、ボディーイメージの乏しさなど。
一般的なトイトレにプラスして、配慮していかなければいけないこと山のごとしなのです。
だから、周りと違うことをしているからと言って自分を責めなくていい!
我が子を愛し、真剣に考えて出した答えならば自信を持ちましょう!
それでも不安だったりうまくいかなかったりしたときは、一緒に考えてくれる人に相談すればいいんです。
このブログも、ママやパパの相談相手みたいな存在のひとつになれたら嬉しいです。
少しでも役に立ちますように!
それでは、また!
追伸 ヤドカリファミリーの日常↓
この前相談した○○の件なんだけど…
あ!今から考えようとしてた💡
しばいたろか。