1歳半検診が近づいてくると、母子手帳や検診で「指さしをしますか?」ということをやたら聞かれるようになります。
指さしができるようになるのは平均9~10か月。
指さしできないと自閉症なの?
我が子が指さししなくて心配なんだけど、何か練習方法はある?
このようなお悩みに対して、この記事では以下のことを紹介します。
・指さししないと自閉症なの?
・指さしの練習方法
・自閉症児が苦手な指さしとは?【指さしには種類がある】
・指さしできるようになったことによるメリット
・おまけのエピソード
自閉スペクトラム症の5歳の息子(きー君)と、今のところ定型発達であろう2歳の娘(あーちゃん)を育てています!
障害児育児は5年目。今までに経験したことや学んだことをブログで紹介していきます。
自閉症であるきー君が指さしをできるようになった練習方法は、定型発達の子にとってはより効果的で参考になるのかなとも思います。
それでは、ぜひお読みください!
指さししないと自閉症なの?
指さししないからと言って、自閉症とは限りません。
というのも、指さししない原因として人より物に関心が強い時期であったり、内気でおとなしいなど性格が起因していることがあるからです。
実際に私の知り合いの子どもA君(定型発達児)にものんびりした性格の子がおり、指さしや言葉が遅いということがありました。何なら自閉症であるきー君よりも言葉が出てくるのが遅かったくらいです。だけど、いつの間にかきー君の語彙力をはるかに追い越しておりましたよ(^-^;
指さしはなくても、自分の要求を何らかの手段、例えばママやパパの目をじっと見るなどして伝えようとしているか?指さし以外に大人の真似をよくしているか?「自分」と「物」の二者の関係だけでなく、「自分」「物」「他者」の三者の関係が築けているか?大人のかんたんな指示がわかっているか?というところを見ていただいて、「うちの子はできてるな~」というのであればあまり心配はいらないのかなと思います。
きー君の場合は、指さしの遅れの他にあれもこれもと心配事や遅れを感じる部分がありました。先ほどお話しした定型発達のA君は、指さし・言葉の遅れ以外に心配なことはあまりなさそうでした。
なので、指さししないというだけで自閉症だと判断することはできませんし、過度に心配する必要はありません。
指差しの練習方法
私が行った指さし練習方法を紹介します。
抱っこひもでお散歩
ちょこっとの隙間時間には、きー君を抱っこひもに入れてお散歩に行きました。
なぜ抱っこひもかというと、多動なきー君はゆっくり一緒に歩くということができなかったから。
しっかりと抱っこして、同じ目線で、ゆっくりと話しかけました。
きー君、見て。
ここにきれいなお花が咲いてるよ。
見向きもしないきー君ですが、抱っこひもだとグイッと私が体の方向さえ変えればいいだけ。
見て欲しいものにきー君の顔を向けて、もう一度、私の指さす手を見せながら話しかけます。
きれいなお花、咲いてるね。
逆に、きー君が興味深そうに見ているものがあれば、指さしをして声をかけました。
何か見つけたり、伝えたかったりしたらこうやって指さしするんだよ、と教えるつもりで行っていました。
高いところに興味のあるものを置く
きー君の手の届かないところに、おもちゃや置物を並べておきました。
「あー!」と声を出して両手を伸ばすきー君に、抱っこして声を掛けます。
どれで遊びたいのかな?
これかな?それともこれかな?
私が指さしする手を見せながら問いかけます。
「うー!」ときー君がおもちゃに手を伸ばしたときには「これとって」と代弁しながら手をとって、きー君の手を指さしの形にして練習しました。
ご飯を少し離して置く
ちょっとこれは可哀そうだという意見もあるかもしれませんが、ご飯を少し離したところにおいて練習をしました。
どれが食べたい?
きー君が手を伸ばしたら、私が指さししているのを見せたりきー君の手を指さしの形にしたりしました。
〇〇が食べたいんだね。
はい、どうぞ!
ご飯の時間が嫌にならないように、やりすぎには注意ですね。
どっちがいい?と選ばせる
おやつが大好きなきー君。
おやつを2つ差し出して、どっちが食べたいかを聞きました。
衝動性の高さから、目の前に持ってくると奪うように取ってしまうきー君でしたので(今も変わりませんが)、きー君の手の届かない高さでおやつを見せました。
こっちのおやつが食べたいんだね。
はい、どうぞ!
きー君が手を伸ばしてきちんとジェスチャーで意思表示できたら、おやつを渡すようにしました。
「待つ」という練習にもなります。
おやつへの情熱はすごいものがありましたので、これはかなり効果的でした😊
絵本で練習する
1歳半検診の指差しチェックでは、絵を見て聞かれたものを指さすというスタイルが多いかと思います。
保健士さんに「りんごはどれ?」と聞かれ、子どもが絵の中にあるりんごを指さしするといった感じ。
その練習となるおすすめの絵本はこちら↓
・こどもずかん777 ¥1078(税込) 学研
・はじめてのことば100 ¥935(税込) ポプラ社
『こどもずかん777』は、きー君が大好きな乗り物がたくさん載っているページがあったために購入↓
『はじめてのことば100』は、1歳半検診で聞かれそうな写真が載っている&シンプルだったので購入↓
普段の生活の中での指さし練習+絵本での練習で、1歳半検診での絵を見ての指さしは難なくクリア!なきー君でした。
自閉症のきーくんが最後までできなかった指さしとは【指差しには種類がある】
指さしには種類があります。
・指向の指さし(9~10か月頃)
・自発的指さし(11か月頃)
・要求手段指さし(1歳頃)
・共感指さし(1歳~1歳6か月)
・応答指さし(1歳6か月頃)
応答指さしは、絵などを見ながら「リンゴはどこ?」の問いにリンゴを指さして答えるといった、1歳半検診でよく検査されるものです。
指さしの発達段階からいくと応答指さしは最終の段階であり、これができていればその他の指差しもできていそうなものです。
しかし、きー君は応答指さしはできていても『共感指さし』は1歳半検診までにどう練習してもできませんでした。
『共感指さし』とは、例えば猫を見つけて「あ!」「ニャンニャン!」など言いながら指びさしをして大人に伝えようとするもの。
指さしをしてママやパパの表情を見たり、感覚を共有しようとしたりするもの。
きー君がこの指さしができなかった原因として、自閉症の特性のひとつである”周囲への関心の薄さ”が関係していることが考えられます。
今思えば、きー君が私の表情を見ている…ということはこの時期は皆無でしたね😢
個人差はあるとは思いますが、発達障害や知的障害の特性として『共感指さし』が難しいという傾向はありそうです。
指差しできるようになったことによるメリット
結局自閉症だったきー君ですが、指さしの練習をしてよかったと思う理由3つ。
・意思疎通ができるようになった
・クレーン現象が減った
・言葉の発達を促した
この時期のきー君は発語がなく、1歳半検診時点でもひとつも発語がありませんでした。
目を合わせてくることもなく、しゃべることもないきー君でしたが、指さしができるようになったことできー君の考えていることが何となくわかり、私も声を掛けやすくなりました。
また、地味に私のストレスであった親の手をとり物に誘導するクレーン現象もこの頃から減っていきました。
きー君が指さしをしているときには、「これは○○だよ」「お茶がのみたいのかな?」「テレビをつけてほしいんだね」と声を掛ける回数もどんどんと増えました。
そのかいあってか1歳半検診直後からポツポツと言葉が出始め、2歳頃から「これ何?」と聞いてくるまでになっていました。(が、目は合わない。笑)
おまけ
今でも覚えているのが、初めて指さしをしてくれた日。
いつものように抱っこ紐できー君と散歩をしていたときのこと。
「きー君、あそこに鳥さんがいるよ」「きー君、ほら、ひこうき!」
いくら声を掛けても、指さしする自分の手を見せてみても、反応のない虚しさとあせりから次第に声は小さくなりしばらく無言でトボトボと歩いていました。
そこに、とつぜん大きくて黒い蝶々が私たちの目の前を通り過ぎました。
大人の手のひらぐらいある蝶々でしたので、思わずテンションがあがる私。
「きー君見てみて!でっかい蝶々がいるよ!」
追いかけて見失って、また現れて…をしばらく繰り返していたと思います。
「あ、あそこにいた!」「今度はこっちにいた!」
指さし指さし、追いかけました。
曲がり角で見失い、急に我に返った私。
またトボトボと来た道を帰ろうとした瞬間、黒い蝶々が私ときー君の周りをヒラヒラと一周したのです。
!!
きー君も驚いたんだと思います。見ると、ちっちゃいふっくらした人差し指で、しっかりと蝶々を指さしていました。
きー君すごいすごい!!
指さしできてるよ!!!
嘘みたいに聞こえるかもしれませんが、これがきー君が初めて指さしした時の話です。
自閉症育児って本当に大変だけど、何気ない幸せに気が付くことができるし、100倍喜びを感じることができると思います。
あとは心から共有できる人がいれば最高😊
今日こんなことがあってね!
ほーん。
しばいたろか。
ちなみにその時の蝶々がこちら↓何て言う蝶々かわかる方いますか?
黒い蝶々は、成長・変化の時期・物事の節目・人生の転機といったスピリチュアルな意味が含まれているそう。
これまでの頑張りが実を結ぶとも言われているようで、スピリチュアルはあまり関心がない私ですがこれは信じてしまいそう。
黒い蝶々ありがとう!あなたは私の女神だよ!オスかもしれんけど!!
まだどこかで会えますように🥺✨
歩いていれば、また必ず会えるはず😊
みなさんも一緒にがんばっていきましょう!
それでは、また!