みなさんのお子さんは、「精神障害者保健福祉手帳」をお持ちですか?
精神障害や発達障害のある方を対象にした手帳です。
自閉スペクトラム症と診断されたきー君は、4歳の頃にこちらの手帳を取得しました。
(知的障害が伴う場合、「療育手帳」も対象となります)
障害者保健福祉手帳を持つことで、自身の自立や社会参加を助けるさまざまなサービスを受けることができます。
そして今回!
2025年4月からJR等の鉄道運賃の「障害者割引制度」が精神障害者保健福祉手帳の所持者にも拡充されたのです🎊
もちろん新幹線も割引の対象になりました。

知らなかったー!!
ありがたや~✨
近々新幹線に乗る予定があったため、さっそく調べたところ…
手帳の「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額」欄に「第1種」「第2種」の記載がないと割引にはならないとのこと。
今持っているきー君の手帳には、「第1種」「第2種」の記載がないというかそもそも運賃減額の欄がありません。
なので、さっそく市役所に手続きをしに行ってきました!

JR等の鉄道運賃の「障害者割引制度」について知りたい。
我が家でも使える制度なのかな?
使えるとしたら、手続きって大変なの?
このような疑問に対して、この記事では以下のことを紹介します。
・精神障害者保健福祉手帳とは?
・2025年4月から、新幹線の障害者割引が精神障害者も対象になりました
・手続きの実際の様子
・割引の内容
・常にアンテナを張っておこう

自閉スペクトラム症の6歳の息子(きー君)と、今のところ定型発達であろう3歳の娘(あーちゃん)を育てています!
障害児育児は6年目。15年間小学校教諭として勤めてきましたが、きー君の障害発覚を機に退職。現在は、パートをしながら療育や子育てに専念しています。
今までに経験したことや学んだこと、日常のちょっとしたことや気づいたことなどをブログで紹介していきます!
サービスの内容は、障害の程度や地域によって若干異なります。
今回紹介するのはあくまで我が家の場合ではありますが、似たような境遇の方の参考に少しでもなれば幸いです。
それでは、お読みください!
精神障害者保健福祉手帳とは?

精神障害者保健福祉手帳について、さらりとですが説明します。
すでに手帳をお持ちの方は、読み飛ばしていただいて大丈夫です。
障害者手帳の中のひとつ
障害者手帳には3つの種類があります。
身体障害者手帳…身体の機能に一定以上の障害があると認められた人
療育手帳…児童相談所又は知的障害者更生相談所において、知的障害があると判定された人
精神障害者保健福祉手帳…精神障害や発達障害のあると認められた人
自閉スペクトラム症と診断されたきー君は、精神障害者保健福祉手帳を取得しています。
精神障害者保健福祉手帳を持つことで、自立と社会参加の促進を目的としたさまざまな支援を受けられます。
精神障害者保健福祉手帳で受けられるサービスは?
障害者保健福祉手帳で受けられるサービスは、全国一律で行われているサービスと地域・事業所によって行われているサービスがあります。
詳しく知りたい方は、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所のホームページ「こころの情報サイト」でご確認ください(厚生労働省のホームページからも見ることができます)
私達家族も、お出かけの時には公共施設の入場料や駐車場の割引等に使わせていただくことがあります。
2025年4月から拡充!新幹線の障害者割引が精神障害者も対象に

大変ありがたい鉄道運賃の割引制度。
身体障害者手帳や療育手帳では以前からあったサービスが、2025年4月から精神障害者保健福祉手帳にも拡充されました。
障害者割引の概要
JR東日本のホームページに、概要が載っていました。
身体障害者、知的障害者及び精神障害者(以下「障害者」といいます。)の方はJR線について次の割引が適用となります。
なお、割引のお申し出の際は、各自治体で発行する障害者手帳(旅客鉄道株式会社(等)旅客運賃減額欄に第1種又は第2種の記載のあるもの)が必要となります。また、列車等をご利用の際にも必ず手帳をお持ちいただき、係員の請求がありましたらご呈示ください。
引用:JR東日本
割引制度が始まったのは、本当のようです!
実際にJR東日本のお問い合わせセンターに電話して聞いてみました
念のため、JR東日本のお問い合わせセンターにも電話で聞いてみました。

もしもし。
精神障害者保健福祉手帳でも割引制度がはじまったと伺ったのですが…

はい!4月からスタート致しました!
お持ちの精神障害者保健福祉手帳の旅客鉄道株式会社(等)旅客運賃減額欄に、第1種又は第2種の記載がある場合にご利用できます。
記載のない場合には、お住いの自治体にハンコ等押していただけば大丈夫です。
やはり割引制度がスタートしたのは、間違いなさそうです!
割引を受けるために、実際に手続きに行ってきました
市役所にも問い合わせたところ、手帳を持って市役所に来て~とのことでしたのでさっそく行ってきました。
自治体によってハンコだったりシールだったり、持ち物等も若干異なるかもしれません。
手続き前には事前に市役所に確認しておくことをお勧めします。
手続きは、手帳にハンコを押してもらうだけ!
私(ヤドママ)がきー君の就学相談や放デイ見学等で予定が詰まっていたため、手続きは主人(ヤドパパ)にお願いしました。

(↑写真は実際のものとは異なります)
私たちの住む自治体では、手帳だけ持って障害福祉課の窓口に行けばいいだけでした。
すぐ使いたいから時間がかかったらどうしよう…

鉄道運賃割引の手続きに来ました

かしこまりました。
はい、どうぞ!
ぺシッ(←はんこを押す音)
ヤドパパの報告によると、15秒くらいで手続きは完了したようです。
15分ではなく、15秒。
各自治体の「鉄道割引手続き選手権」をしたら、きっと優勝できそうなタイムです。
窓口受付の方の背後にすでにはんこが常備されていて、すぐに押せる状態になっていたとのこと。
サービスが始まったばかりで、手続きに来る人が多いのかもしれませんね。
ヤドパパが言ったときには順番待ちしている人もおらず、待ち時間なくあっという間の15秒でした。
サービスの内容
等級によってサービスの内容が異なる
割引の内容は、障害等級により異なります。
旅客運賃減額種別 | 障害等級 |
第一種 | 1級 |
第二種 | 2級、3級 |
きー君の場合は、障害者等級3級なので『第二種』というハンコを押してもらいました。
サービスの内容
ざっくり、サービスの内容はこんな感じです↓
第一種の方
第一種障害者とその介助者:普通乗車券、回数乗車券、普通急行券、定期乗車券(※小児定期乗車券を除く)が5割引
第一種障害者が単独で利用:普通乗車券が5割引(片道の営業キロが100キロを超える場合)
第二種の方
第二種障害者とその介助者:本人が12歳未満のとき定期乗車券(※小児定期乗車券)が5割引
第二種障害者が単独で利用:普通乗車券が5割引(片道の営業キロが100キロを超える場合)
第一種と第二種では、介助者にも割引がきくかどうかというところに違いがありました。
きー君は第二種でした。
「単独で利用」というのは「一人で乗車する場合」ということ?
一人で長距離乗車することなんて今のきー君にはないことだから、割引は使えないのかな…
と疑問だったので、こちらもJR東日本のお問い合わせセンターの方に聞いてみました。

「単独で利用」とは、第二種障害者本人が一人で乗車したときということですか?
介助者と一緒の場合には、本人に割引はきかないということでしょうか。

介助者の方と一緒であっても、第二種障害者ご本人様は5割引になります。
100キロを超える場合、ぜひご利用くださいませ。
尚、新幹線の場合は乗車券と特急券の両方の購入が必要です。
乗車券は割引となりますが、特急券は割引にはなりませんのでご了承ください。
単独での乗車ということであれば、利用する機会はないかな…と思っていましたがよかったです!
家族と一緒であっても、本人には割引がきくので我が家でも利用できそうです。
「『単独』という書き方がわかりにくくて申し訳ありません」とお問い合わせセンターの方が言ってくださいましたが、そんなことはありません!
割引サービスをご厚意で拡充してくださってありがとうございます!
読解不十分で、たくさん質問してしまって申し訳ございませんでした💦
ちなみに、子ども料金で割引がきいていたとしても、そこからさらに障害者割引がきくとのこと。
かなり助かります。
その他わかったこと

その他、市役所の方やJR東日本問い合わせセンターの方から聞いてわかったことをまとめました!
精神障害者保健福祉手帳のことについては市役所の方がわかっていて、具体的なチケット購入方法や運賃についてはJR東日本の方がわかっているという感じでした。
手帳についてわかったこと
・2025年4月以降に新たに発行された手帳や更新された手帳には、「第一種」「第二種」の記載がされてるのでハンコを押しに来る必要はない
チケットの購入・利用についてわかったこと
・チケットはみどりの窓口で直接購入し、必ず手帳を持参する
・ネットでの購入は、今のところできない(JR東日本の場合)
・乗車の際にも、必ず手帳を持参する
・各鉄道会社によってサービスが異なる
・過去にさかのぼっての割引はできない
過去にさかのぼって~というのは、実は割引制度が始まったばかりの2025年4月に新幹線を利用した我が家。
割引制度について知らなかったため、正規の料金で乗車しました。
割引分の払い戻しは今からできないかな?と思ったのですが、やはりできませんでした😢
これから新たに手帳を取得したり更新したりすると、自動的に手帳に「第一種」または「第二種」の記載がされてるそうです。
近々鉄道を利用される方で手帳に記載のない方は、お早めに手続きに行かれることをおすすめします。
※自治体や各鉄道会社によって対応や内容が異なるかもしれませんので、お手続きの際は事前にご確認ください。
常にアンテナを張っておこう!
今回の割引の件について、我が家が知ったのは4月の某日。
新幹線を使って一家で実家に帰省し、JRの元職員だった親戚のおじさんに会った時の事。

そういえば、きー君の新幹線割引ちゃんと使ってきたか?

???なんのこと?
常にアンテナを張っておくことって大事!と思いました。
と同時に、きー君が大人になったときに自分の力でこういったサービスに気づいていけるのかな?と不安にもなりました。
差し伸べられた手に気がつくこと。
助けてもらったときにはきちんと感謝すること。
きー君が大人になるまでに、一緒に身に付けていきたいです。
まとめ

以上、2025年4月から始まった精神障害者保健福祉手帳による鉄道運賃の障害者割引制度についてでした。
手帳に「第1種」または「第2種」の記載がない方は、ぜひお手続きしてください。
自治体によると思いますが、私たちの自治体では市役所で15秒で手続き完了!(待ち時間なし)でした。
手帳の更新がもうすぐの人、しばらく公共の交通手段を使わないよ~という人は急がなくてもいいと思いますが…
・更新がまだまだ先の人
・公共の交通手段を利用している人
・近々公共の交通手段を利用する予定がある人
以上の方は、ぜひ手続きすることをおすすめします!
そもそも手帳をもっていないよ~という人は、運賃割引以外にも使えるサービスがたくさんありますので手帳の取得をご検討ください。
障害者手帳は、本人の自立と社会参加の促進を目的としたものです。
親が生きているうちに。
きー君には将来を生きぬく力を少しでも付けさせたいという思いで、我が家でも手帳を使わせていただいています。
たくさん出かけて、いろんなことを経験して。
きー君が大人になった時、たとえ微力でも、社会に貢献できますように。
見渡せばたくさんの助けてくれる人がいて、それに気づき感謝する。
支援を見つけ、助けを求め、安心できる環境を自らつくる。
私達夫婦がそばにいられるうちに、きー君にそんな力を付けていければいいなと行動しています。
日々アンテナを張って、よりよい環境を整えていきましょう!
また何かよい情報がありましたら、ブログにて発信していければなと思います😊
障害児育児、一緒に頑張っていきましょう!
それでは、また!!

鉄道運賃以外にも、航空会社やバス会社等でも精神障害者福祉手帳でのサービスがあるようです!
各会社によってサービス内容が異なるそうなので、ご利用の際には事前に各会社に問い合わせてみてくださいね♫
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