みなさんのお子さんは、ボタンのかけはずしができますか?
我が家の自閉症児きー君(5歳)は、今でこそボタンができるようになりましたが、ちょっとでもできないと癇癪になってしまうため教えるのも一苦労でした😥
うちの子なかなかボタンのかけはずしができない。
どうしたらボタンを上手にできるようになるのかな?
具体的な教え方や、おすすめの遊びやグッズなどがあれば知りたい。
このようなお悩みに対して、この記事では以下のことを紹介します。
・ボタンの具体的な教え方
・ボタンの上達のために行った遊び4つ
・ボタンの練習におすすめのパジャマ
・生活動作を教えるときに参考にしている書籍を紹介します
自閉スペクトラム症の5歳の息子(きー君)と、今のところ定型発達であろう2歳の娘(あーちゃん)を育てています!
障害児育児は5年目。15年間学校教育に携わる仕事をしてきましたが、きー君の障害発覚を機に退職。現在は、パートをしながら療育や子育てに専念しています。
今までに経験したことや学んだことをブログで紹介していきます!
それではぜひお読みください!
ボタンのかけはずしの具体的な教え方(書籍より)
生活動作を教えるにあたって、遊びやグッズで発達を促すのも大事ですが、大前提として具体的な教え方を頭にいれておく必要があると私は考えます。なぜならば、生活動作は実際にやってみなければわからない、教えられなければわからないものであると考えるからです。きー君の場合、他者を見て真似て、自分で習得するのはかなり難しい。なので、教えなければならない場面は避けられません。さらに、教え方がわかっていれば、我が子がつまづいているポイントも見えてきて、効果的な遊びやグッズが何なのか見当をつけることができます。
生活動作を教えるときに、いつも辞書のように使用しているおすすめの書籍がありますので、記事の最後に紹介させていただきます。
”ボタンをはずす”の教え方
①向かい合う。
②親は一番下のボタンホールのあたりを持ち、布をピンと張る。
(子にボタンが見やすいように傾けて張る。)
③子⇒ボタンをつまんで、ボタンホールに入れる。
親⇒子が入れたボタンを、布の裏から引っ張ってはずす。
④ ③が上手くなってきたら、ボタンホールの横を自分で持たせる。
しっかり持てれば、もう片方の手でボタンをホールに押し込みはずすまでを一人で行う。
※上にいくほど難しくなるので、まずは下のボタンからやるようにするとよい。
”ボタンをかける”の教え方
①向かい合う。
②親は一番下のボタンホールのあたりを持ち、ピンと張る。
この時、ボタンホールが見えやすいように布をめくってやる。
③子⇒ボタンをつまんで、ボタンホールに入れる。
親⇒子が入れたボタンを、引っ張ってかける。
④ ③がうまくなってきたら、ボタンホールの横の布をつまんで持たせる。
しっかり持てれば、もう片方の手でボタンをホールに押し込み、
引っ張ってかけるまでを一人で行う。
※下のボタンからやるようにするとよい。
一連の動作を、上記のように分割して行うことで「できた!」という場面も増え自己肯定感UP!!
癇癪の防止にもつながります。
ボタンができるようになるために行った遊び4つ
ボタンができるようになるために行った遊びを4つ紹介します。
おはじき入れあそび(書籍&youtubeより)
こちらの遊びは、後で紹介する書籍やyoutubeで紹介されていました。
100均でプラスチック容器を買ってきて、おはじきがぎりぎり通るくらいの大きさにカッターで切れ込みを入れるだけで簡単に作ることができます。
おはじきを切れ込みの中に入れるという単純な遊びですが、指先の力や動きの発達を促すのにとってもおすすめ!
ぐっと力を込めて切れ込みにおはじきをいれることで指先の力を使いますし、縦と横に切れ込みを入れておけば様々な方向に指や手首を動かす練習にもなります。
また、きー君は以前「ものを見る力が弱い」と言われたことがあるのですが、こちらの遊びによって発達を促すことができるとのこと。
※ものを見る力⇒視線をうまく動かす、目で形ととらえる、ものとものとの位置関係を把握する(認知する)など
↑実際に遊んでいるときの様子
指先でぐりぐりと押し込み、反対の手も添えて、なんだかボタンの動作に似ていませんか?
最初はうまくいかずイライラしていたものの、うまくなってくるとおはじきが入った時のカチャンッという音が楽しく何度も遊んでいました😊
↑上達してきたら筒状にチャレンジ!
筒状の方が、反対の手でしっかりと支えていないといけないので難易度が上がります。左右の手の動きを必要とするボタンの動作の練習にばっちりです✨
※誤飲には充分に気を付け、遊ぶ時にはお子様から目を離さないようにしてください。
箱の中のおもちゃはどこ?(自発での療育より)
こちらは児童発達支援事業所の療育で行っていた遊びです。
箱の中にたくさんのボールとちっちゃなおもちゃが1つ入っていて、目で見ずに手でまさぐっておもちゃを探します。自分の指が見えない状態で探し当てなければいけないので、自分の指の動きをイメージすることにつながります。自分の手が見えない状態で指の動かすのは、自分から見えにくい上のボタンをとめる練習に最適です!
また、最初は親指でひとつ、その他の4本の指でひとつと、ミトンの手袋のように2つで分かれていた手の認識が、この遊びによって5本指の認識に変化させていくことができるのでボタンの上達につながっていきます。
はなちゃんおせわセット(こどもちゃれんじより)
こちらはベネッセの『こどもちゃれんじぽけっと』(2・3歳向け)についてきた教材です。
しまじろうの妹、はなちゃんをお世話するお人形。ボタンも大きく、布も柔らかく伸びやすいので不器用なきー君でもわりとすんなりできました👍なかなかボタンの練習をしたがらなかったきー君ですが、「はなちゃんにお洋服着せようね~」なんてやっているうちに、ボタンに対する意欲も出てきたように思います。
はなちゃん人形は、2024年度にリニューアルして新登場しているようです!
LENAモザイク(ネットで見つけて購入)
ものをつまむ動作の発達のためにいいものはないかと探したときに、『LENAモザイク』を見つけました。
白い穴の開いたボードに、きのこ型のかわいいステッキを差し込んで模様を作成していくおもちゃ。
同じものの連続やキラキラしたものが大好きなきー君にぴったりだと思い、お試しセットを購入。私が購入した当時は、楽天市場で3,355円(送料無料)でした。手指の発達以外にも、黙々と遊ぶことができて集中力も身に付くのでおすすめです♪
※誤飲・窒息の危険がありますので、3歳未満のお子様には絶対に与えないでください。必ず保護者と一緒に遊び、目を離さないようお気をつけください。
おすすめのパジャマはこれ!アカチャンホンポ『お着換え応援パジャマ』
ボタンの練習はパジャマがおすすめです。
なぜならパジャマの生地は比較的柔らかいものが多く、さらに寝る前は時間がゆっくりとれるから。朝の忙しい時間にボタンを練習するのは親も子もイライラしてしまうだけ。
きー君が愛用しているのは、アカチャンホンポ『お着換え応援パジャマ』✨
ポイントはボタンがくぼんでいてつまみやすいこと。そして、ボタンの色が交互でわかりやすく、写真ではわかりにくいですがボタンホールもボタンの色に合わせて交互になっています。
上の写真は2年ほど前に購入したもので、大きめを購入したため5歳になった今も着用しています。
問題は2024年現在でも販売しているのかということ…
ありました!近所のアカチャンホンポの店舗に行ってみたところ、今でもばっちり販売しておりましたよ🎊(2024年6月現在)
写真のものだとお値段は¥1,780(税込)。かつて購入したものよりも、生地が柔らかくなっているように感じるのは夏物だから?冬物になると生地が厚くなってしまうかもしれないので、この夏からボタン練習を始めてみてもいいかもしれません😊
生活動作の教え方がわかる、おすすめの書籍を紹介します!
発達が気になる子へのスモールステップではじめる生活動作の教え方 ¥1,980(税込)
こちらの書籍は、生活する上で必要な生活動作の教え方が具体的にわかりやすく解説されています。
今回のボタンの教え方もこちらの書籍を参考にさせていただいています。
食事動作・更衣動作・トイレ動作など…あらゆる生活動作の教え方がスモールステップでわかります。わからないときには辞書のようにこちらの本で調べたり、夫婦で教え方を共有したりするのに重宝しています🙏
なかなか自分で教え方を考えるのもしんどいし、うまくいかないときのイライラや絶望感は本当にメンタルやられますので、一家に一冊こちらの本をおすすめします。
小さな『できた!』で親も子もハッピーに
手先が不器用で多動、癇癪持ちのきー君。
できないことへの不安が強く、できなさそうなことに直面するとふざけたり他のことをしてごまかしたりする癖があります。なので、もの教えるときにはすっごい時間がかかります。正直イラっとして叱ってしまうことも。
でも、最近になってわかったこと。
療育先の心理士さんに、こんなお話をいただきました。
ふざけたり逃げたりするのは、きー君なりの自己防衛だと思います。
5歳になり、「みんなより何だかうまくできないな」「どうしてできないんだろう」と感じ始めているのかもしれません。
できそうにないと判断した時にふざけるという行動をとることで、傷つくことから自分を守っている可能性があります。いわゆる”叱られやすいタイプ”かもしれませんね。
この日から、考えを改めました。
1教えて1できなくてもいい。10教えて1でも、20で1でも、30で1でも。
何ならその時にはできなくて、忘れた時にポンッとできるでもいい。
できるできないよりも、きー君には自分らしさに自信を持って生きていってほしいと思いました。
教えたいことがあるときには、1つのことを小さく区切って。
例えば今回のボタンで言えば、「向き合って立てたね!」「ボタンを見つけられたね!」「すごい!ボタンを触れたよ!」とスモールステップで進めていく。
できないことも、小さく刻めば小さな”できた!”にあふれています。
いつの間にか一人でできるようになり、今ではテレビを見ながらパジャマを着ているきー君。
小さなその手が、愛おしくもあり誇らしくもあります。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです😊
それでは、また!